上大島キャンプ場のごく近くに、崖の途中から清水が“こんこん”と湧き出る泉が
あります。大島地区周辺に8か所あったので「八ツ壺=ヤツボ」と呼ばれています。
起源ははっきりしていないのですが、「ヤツボ」の近くに縄文時代の遺跡が発見さ
れたことから、約5千年前頃から古代人の生活の営みに利用されていたようです。
大昔、相模川は深い谷をなしていて、水くみは重労働でした。そこで、この
「ヤツボ」から湧き出る清水を飲み水としたり、近年は池状にして洗濯や蚕の器具
洗いに利用していました。
水道が普及した現在はこれらの利用はありませんが、数か所は登録史跡として保存
され、ボランティアグループが手入れを行っています。それをご紹介します。
是非、キャンプ場に来場されたおり、あるいは改めて見学していただき、古代人の
生活と「ヤツボ」の関係をしのび、文化財に触れていただきたいと思います。
お待ちしております!
参考資料=「おおさわ風土記第2集(笹野邦一著)」など。
1,上大島キャンプ場(赤矢印)とヤツボの位置関係(最も近い「中ノ郷ヤツボ」は自然の村公園経由で約10分) 看板の左側が下流。
2-1 大島水場のヤツボ案内板 上記中ノ郷ヤツボの下流に位置し、徒歩約10分。
2-2,水場のヤツボ(中ノ郷ヤツボより下流側)は、近くの日々神社の「雨ごい用御神水」としても信仰されていた。
2-3 水場のヤツボ 大島に名瀑あり! 上記写真から湧き出た水は滝(鏡の滝という)となって相模川へ流れつく。
2-4 水場のヤツボ ボランティアグループによる定期清掃。休憩場所もあり、四季折々を楽しめる。
3,古清水上組のヤツボ かつて洗濯や蚕の器具洗いに利用、現在はその役目を終え、金魚を泳がせている。